株式会社点鬼堂

火葬式・直葬とは

近年増加傾向にあるご葬儀のスタイル「火葬式・直葬」ですが、ここでは火葬式・直葬って何?から火葬式・直葬を執り行った場合のメリット・デメリット、また万が一のご不幸があった場合に火葬式・直葬を検討されているかたへ、火葬式・直葬を執り行う場合の注意点などを解説していきます。

火葬式・直葬とは?

火葬式・直葬とは、通夜・葬儀告別式などの式典を一切執り行わずに火葬だけを行うお葬式のことです。「火葬式」と「直葬」は同義語として使われていますが、火葬式は「火葬だけのお葬式」、直葬はお亡くなりになられた場所から「直接、火葬場へ向かうお葬式」ということから言葉の意味あいは少し異なります。ですがどちらも「火葬するだけのお葬式」に違いはありませんので、同義語という認識で問題ないです。

火葬式・直葬の実例でいうと、近年のコロナウイルス感染症でお亡くなりになられたかたのお葬式は、新型コロナが5類に分類される以前まで、24時間以内に火葬が認められる指定感染症扱いでしたので、故人様がお亡くなりになられた病院へ葬儀社が御棺を持ち込み、院内でご納棺し、病院から直接火葬場へ向かうといった形がとられていました。こういった場合、まさに直接火葬場に向かうお葬式であることから、「直葬」といえます。

指定感染症以外でお亡くなりになられ、火葬のみのお葬式を選択された場合は、法律上死後24時間は火葬できないので、1日以上安置することが必要となり、そうした場合は病院で火葬まで故人様をご安置させてもらえることも少なく、また特別な理由がない限り、病院側も御棺を院内に持ち込むことを許可してくれることもありませんので、病院から一旦、ご自宅や葬儀社の安置施設へ移動し、24時間以上の経過とご納棺を済ませたあと、火葬場へ向かうことになります。こういった場合は「火葬式」といえるでしょう。

火葬式・直葬のメリット・デメリットについて

火葬式・直葬についてのメリット・デメリットもしっかり理解しておくことが重要です。ここからはメリット・デメリットについて触れていきます。

火葬式・直葬の良いところは?メリットについて

式典を執り行わないので、一般的なお葬式と比べると費用を抑えることが可能です。火葬式・直葬の最大のメリットといえます。また式典がありませんので身体的な側面からも、一般的なお葬式と比較して負担は少なくなります。

デメリットについて

火葬式・直葬はまだまだ一般的とは言えないお葬式のスタイルですので、火葬式・直葬に対して他のご親戚様等に理解していただけない場合があります。人それぞれで感覚的にご葬儀に対する捉え方は異なります。また普段お付き合いのお寺様がいらっしゃるのに、突然のご不幸で動転してしまい、流れのまま火葬式を執り行ってしまい、後で「どうして連絡くれなかったの?」とお寺様からお叱りを受けたといったケースもあるようです。

火葬式・直葬を執り行う際の葬儀社選定のポイントと注意点

安心して火葬式・直葬を執り行うために、注意点と葬儀社選定のポイントを解説します。

故人様と対面してのお別れができるのかどうか

一部インターネット系の葬儀社等で、対面お別れについてきっちりと明示されていないケースが散見されます。そういった葬儀社は、「火葬場でお別れ」とのみ記載がありますが、火葬場でお別れする場合、関西圏の火葬場ではほぼ、火葬場内ではお棺の蓋を開けることが禁止されているので、したがってお顔をみてお別れすることが出来ません。またそういった葬儀社と思われますが、火葬場内ではお蓋を開けられないので、火葬場付近や駐車場で寝台車の車内においてお顔をみてのお別れをご案内されている様子もしばしば見かけます。事前に説明を受けていればまだ良いですが、最後に落ち着いてお顔をみてお別れできると思っていたのに出来なかったとなれば、悔いの残るお別れになってしまいます。そうならないためにも最後のお別れがどうなっているのか、確認することが賢明です。

しっかり説明してくれる葬儀社を選びましょう

火葬式・直葬は最もシンプルなご葬送になります。シンプルであるがゆえに、本来必要であったものまで省略してしまっていることの無いよう注意が必要です。当然、ご遺族様はご不幸にあわれ、気が回らない状態ですので、そこで葬儀社が必要不必要を都度、説明・確認し、ご葬儀後も問題の無いように取り計らっていくことが望ましいです。

例えば、お寺様との付き合いは途絶えているが、ご先祖様や先に亡くなられたかたを普段、ご仏壇で供養されておられ、今回お亡くなりになられた方も同じようにご仏壇で供養されたい場合、絶対ではないですが、ご仏壇で祀るには「戒名」が必要になってきます。お戒名をいただくにはお寺様にお願いしなければなりません。そんな訳ないと思われるかもしれませんが、火葬すれば自動的にお戒名がいただけると思い違いされている場合もあります。要はそこまで気が回らなかったりするわけです。あとよくあるのが、お寺様とのお付き合いは途絶えてしまったが、そのお寺様の境内にお墓を構えていらっしゃるケースなどです。火葬式は一日で終わりますが、供養は続きます。後々のこともしっかり考えて説明してくれる葬儀社を選びましょう。

火葬式イメージ

火葬式・直葬についてまとめ

火葬式・直葬についてのメリット・デメリットや安心して火葬式・直葬を執り行うための注意点をまとめてみました。火葬式・直葬は経済的・身体的にご負担の少ないご葬送ではありますが、シンプルであるがゆえに、ある意味一般的なご葬儀よりも、慎重に進めなければいけないのかもしれません。ご参考になさってください。

この記事を書いた人

株式会社点鬼堂

株式会社点鬼堂

1級葬祭ディレクター

作成:2023年6月16日
追記:2023年6月16日

担当件数2,500件以上
一般的な個人葬から社葬・合同葬・お別れ会まで施行経験有り。
厚生労働省認定葬祭ディレクター技能審査 1級葬祭ディレクター取得。

  • 1級葬祭ディレクター
  • 業界歴20年以上

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